闇金相談愛知(名古屋)編 男性(39):見栄とパチンコで借金地獄になった話
リア充を装い、見栄を張り続けることによってこんなことになるとは思ってもいませんでした。
私は名古屋生まれ、名古屋育ちの会社員です。
幼少のころから社交的で友達が多く、リーダー的な存在になる事も多かったと思います。
クラスでも、いわゆる目立つ、派手なタイプでした。
名古屋人は派手好き、見栄っ張りなどとよく言われているようですが、それは全くの偏見だと個人的には思っています。
しかし私は、日本全国の方が持っている名古屋人像がそのまま当てはまってしまうようなタイプだと自覚しています。
派手好き、見栄っ張り・・・全くその通りです。
とにかく、他人に地味だとかセコイとかいうイメージを持たれることを恐れているタイプで、必要以上に自分を良く見せたくなってしまうのです。
しかしその性格が、のちに闇金地獄を引き起こすとは夢にも思っていませんでした。
私はごく一般的な会社に勤める、一般的な収入の会社員でしかありません。
でも、ブランド物の服に身を包み、外車を乗り回し、セレブが通うような店に出入りし、ブランド物のバッグや靴を買い、いい小物を持ち・・・そんな生活を送っていました。
とにかく、自分をもっと上のクラスに見せたかったのです。
当然財布事情は厳しく、実際にはカツカツの状態でした。
そんな私の見栄っ張りにさらに拍車をかけてしまった原因の一つに、Facebookやツイッター、インスタグラムなど「SNS」の存在があります。
昔から友人が多かった私は、フォロワーや友達も数百人という数。
1つでも多くの「いいね」が欲しくて、つい見栄を張った投稿をしてしまうことも多かったです。
SNSに投稿するネタがないと、ネタを作るために栄あたりに出かけて高級なランチを撮影してアップしたり、さほど欲しくも無かったブランド物を買ってその写真をアップしたりしていました。
関東まで足を延ばしてディズニーリゾートで遊ぶ様子をアップしたり、長期の休みには海外でリフレッシュする様子の写真をアップしたりと、金銭的にもかなりきつい状況です。
友人からは、本当にうらやましがられました。
それが、私のような性格の人間にはたまらなくうれしいのです。
しかし、派手な生活ぶりをアップすればするほど、引っ込みがつかなくなってしまうもので・・・。
以前はよく高級な店での食事をアップしていたのに、頻度が少なくなると落ちぶれたと思われるのではないか?
毎年海外に行っていたのに、今年は行かないとなるとお金がないと思われるかな・・・?
そんなことを考え、消費者金融から借金をしてまで見栄を張ってしまうのでした。
羽振りよく、リアルが充実している男に見せたい。
こんな気持ちとは裏腹に、私はだんだん疲れを感じていました。
これも、いわゆるSNS疲れというのでしょうか。
借金してまで見栄を張って、どうするんだ?
今すぐにこんな生活をやめれば楽になるのではないか?
そう思う自分もいましたが、落ちぶれたと思われることは借金をすることよりも怖く、見栄を張り続けてしまいました。
そんなストレスを忘れさせてくれたのが、パチンコの存在です。
そばにいる人の声も聞こえないくらいうるさい店内でパチンコ台の前に座って、無心で打つ。
その行動が不思議と、心を無にしてくれるのです。
SNSで見栄を張り続けることに疲れを感じれば感じるほど、パチンコ店に足が向く日が多くなって来ました。
そしてここでも私の派手好きで見栄っ張りの性格が発揮され、お金がなくてもつい勝つまで続けてしまうのです。
大当たりが来た時の、周りの客からの羨望に似たまなざしがたまらないのです。
私は特別にギャンブル好きというわけでもなく、パチンコでお金を稼いで贅沢をしようなどと思ってもいません。
ただ、勝ったときの優越感が好きだったのだと思います。
その優越感が、ストレス解消となっていたのです。
こんな生活を続けていたのですから、消費者金融からの借金は自分でも把握できないくらいに膨らんでいました。
他から借りて返済しようにも、まともな業者はどこも貸してくれません。
ここで見栄を張った贅沢をやめ、地道に働いて返済をすればまだ良かったのかもしれません。
しかし、結局はそれができなかったのです。
外車のローンが残っていましたし、返済しないと車を失うことになるかもしれません。そのうえSNSにアップしない日が増えるのが怖く、私は仕方なく闇金に手を出すことにしました。
もう、半分やけっぱちだったのかもしれません。
闇金からお金を借りると、とりあえずは手元に現金があります。
それを良いことに、またつい使ってしまうという日々が続きました。
はじめのうちは給料で何とか返済できていた闇金からの借金も、返済が遅れることで利息が増えていき、まさに雪だるま式のように膨れ上がりました。
携帯や自宅には、闇金からの取り立て、消費者金融からの督促など、電話が鳴りっぱなしの状態でした。
特に闇金からの取り立ては恐ろしいものでした。
電話口で大声でまくしたてられるだけではなく、今すぐにそっちへ行くからなどという脅しもかけられました。
さらに、金を返さないなら家族の仕事が無くなると思え、お前の職場へも取り立てに行くぞなどと言ってきました。
返せる金がないならよそから借りてこいと言われて闇金から別の闇金業者を紹介され、そこで借りたお金を元の闇金の返済に充てましたが、返済したはずなのに手数料がどうとか、何かと理由を付けてはさらなる返済を迫って来ました。
別の業者からの借金の返済のために、さらに別の闇金を紹介され、またその闇金からも別の闇金から借金をさせられ・・・。
恐らく、10社以上と思われる闇金から借金をしてしまう事態に陥ってしまいました。
こうなるともう、まともに生活をしていくことなんてできません。
隣人に、お宅の名前でピザのLサイズ10枚が届いたんだけどどうしてくれるんだなどと怒鳴り込まれたり、マンションに消防車を呼ばれたりすることも、一度や二度ではありませんでした。
もちろん、闇金からの嫌がらせです。
仕事に行くときにも、闇金がどこかから見ているのではないかと怯え、職場でも、いつ闇金が乗り込んでくるかとビクビクしていました。
一度何者かに職場に一斉に電話をかけられ、回線がパンク状態になったこともありました。
おそらくそれも、闇金の嫌がらせだと思います。
一社や二社の闇金から借りているだけではないので、嫌がらせの頻度が半端ではなく、常に電話が鳴り、本当に毎日のように宅配だの、電報だのという嫌がらせをされました。
それでも、平静を装って仕事に出かけないと借金は減りません。そして働いても働いても、払う筋合いの無い高い利息として全て搾り取られるのです。まさに、生き地獄のようです。
マンションの近隣住人に会うと、あからさまに嫌な顔をされます。
私の借金のことは、おそらく有名なのでしょう。
くだらない見栄を張ることと快感を得るためのパチンコをやめられなかったばっかりに、こんなことになってしまった。
SNS上ではリア充の羽振りの良い男が、実際にはこんな借金地獄に陥っている。そんなこと、誰が想像できるでしょうか?
やはり、お金は計画的に使わなければいけなかったんです。
身の丈に合わない見栄を張りたくて借金をしてしまうなど、今となってはバカだったと思います。
そしてなんの警戒も無く闇金などに簡単に手を出してしまったことを、心の底から後悔しています。
闇金とつながるということが、こんなにも人生を破綻へ導くことだとは思いませんでした。もし今まさに闇金から借りようなんて思っている方、絶対に闇金からは借りるべきじゃないです。
私のようになりたくなければ、闇金と関わりを持つのは絶対にやめてください。