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闇金相談静岡編 男性(31):プロサッカー選手の夢が諦められず、薄給のインストラクターで落ちた闇金の穴

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30歳を超えても、どうしてもプロサッカー選手への道を諦めきれなかった。

 

まさか、こんなことが起こるとは夢にも思わずに・・・。

 

私の父は熱狂的なサッカーファンで、二人の息子を何としてもサッカー選手にしたいと思っていたようです。

 

そのサッカー好きが高じて、私が幼い頃、サッカー王国と称される静岡県に一家で移住しました。

 

日本にJリーグができたこともあり、私も兄も、寝ても覚めてもサッカーというくらい、サッカーの英才教育を受けて育ちました。

 

親の敷いたレールの上を歩くなんて・・・という意見もあるでしょうが、私も自然とサッカーが好きになり、将来はプロになりたいと思っていました。

 

小学校の時の卒業文集には、プロサッカー選手になってJリーグでプレイをしたいという夢を綴りました。

 

自分がプロになってプレイする姿をしっかり頭の中で思い描くことができたので、この夢は絶対にかなうはずだと根拠のない自信を持っていました。
幼いころからのサッカー英才教育のおかげで、私はサッカーの強い高校に進学。高校時代もまさにサッカー一色。

 

勉強の方はダメでしたが、サッカーへの情熱だけは誰にも負けないという自信がありました。

 

その後サッカー推薦で大学に進学し、プロサッカークラブからスカウトを受けました。

 

私は幼いころからの夢を叶え、晴れてプロ選手としてデビューを果たしたのです。

 

しかし、夢を叶えたのもつかの間。

 

ケガによって戦線離脱を余儀なくされてしまいました。

 

一緒にプレイしていた仲間の中には日本代表候補になったメンバーもいましたし、クラブで活躍し、人気が急上昇したメンバーもいます。
私は焦りました。

 

せっかく、やっと夢がかなったのに、なぜこんな目に・・・。

 

でも、落ち込んでばかりはいられません。

 

ケガが治れば、また以前のように活躍できるはずだ。

 

焦らずに、今は治療に専念するしかない!

 

そう自分に言い聞かせました。

 

ようやくけがが治り、復帰を果たしましたが、私が治療に専念している間にもどんどんと若い芽が育っていました。

 

競争の激しいこの世界。先発でピッチに立てる機会はどんどんと少なくなって行きました。

 

そしてついに、私は戦力外通告を受けることとなってしまったのです。

 

私のプロ生活はたったの2年足らず。

 

しかも、本当にプロとして第一線で活躍できたのは、ケガをする前のたったの数カ月だけだったと言っても過言ではありません。

 

こんなことで、諦めきれるはずがありません。

 

これで、夢を叶えたと言えるのか?いや、言えません。

 

私が描いていたプロとしてのビジョンは、ずっと先発で活躍をし、40歳前後という年齢が来て体力の限界を感じるまでは引退をしないというものでした。

 

しかし当時25歳だった私にはあまりにも戦力外通告のショックが大きすぎて、とにかく今はサッカーから逃げたいという気持ちが先立ちました。

 

そしてプロサッカー選手の夢をあきらめきれないという気持ちを心の奥底に隠しながら、一般の企業に就職する決意をしました。

 

大学を卒業してさほど経っていなかったこともあり、すぐに就職先が見つかりました。

 

その後私は結婚をし、子供も2人生まれました。

 

仕事は楽しかったですし、このままここでずっと働こうかなと思っていました。

 

しかし、どこか気持ちがモヤモヤするのです。
これではやはり自分に嘘をついているのではないか?

 

一般の企業で働いて満足している自分が、本当の自分なのか?

 

何度も自問自答を繰り返しました。

 

30代になってしまったら諦めるしかなくなってしまうかもしれない。

 

だからその前に・・・。

 

私は、20代後半にして会社を辞め、もう一度プロサッカー選手になる夢を追いかける決意をしたのです。

 

家族を養っていかなければなりませんでしたし、もう一度プロを目指すには相当な覚悟が必要でした。

 

幼い子供を抱えて不安定な生活を余儀なくされるのですから、当然妻は、再び私がプロを目指すことに反対しました。

 

しかし幼いころからの夢だったこと、私にはやはりサッカーしかないことなどを話し、何とか説得しました。

 

まず、サッカーのインストラクターのアルバイトを探しました。

 

それからセレクションを行っているクラブなどを調べ、テストを受けまくりました。

 

短期間だけですがプロとしてプレイした期間があるため合格することもありましたが、それでも出場機会に恵まれるとは限りませんでした。

 

年齢も年齢ですし、競争の厳しい世界ですから、活躍することは難しい状況でした。

 

合格してももちろん生活していくだけの収入を得るのは困難ですから、インストラクターのアルバイトと掛け持ちです。

 

実はこのアルバイトの時給は意外に安く、私の場合は時給800円でした。

 

プロとしてやっていこうと思っているからには、身体のメンテナンスなどにもお金がかかります。

 

ジムに通ったりプロテインを購入したり、もちろんサッカー自体にかかるお金もあります。

 

そのうえ練習がある時にはアルバイトができませんから、私の収入は家族を養うために十分とは言えませんでした。

 

子供が幼く保育園も落選したため、妻は働くことができません。

 

上の子が私立の幼稚園に通い始めるためさらにお金がかかります。

 

親子4人の食費や生活費、下の子のミルク代やおむつ代、上の子の幼稚園にかかる費用など。

 

当然、インストラクターのアルバイトだけで賄えるはずはありませんでした。

 

私は妻に内緒で消費者金融からお金を借り、それを生活費として渡していました。

 

当然アルバイト代だけでは返済できないため、また別の消費者金融から借りて返済をしているような状況で、まさに借金で首が回らない状態になっていました。

 

その時にはすでに30歳を過ぎていましたが、そんな状況になってもまだ、プロへの夢は諦めきれません。

 

もう少しだけ・・・。

 

まだ、チャンスはあるかも知れない。

 

しかし、もうお金を借りるところすら無いような状況でした。

 

プロとしてピッチに立てるチャンスは、ほとんどありません。

 

これでは生活していけない。

 

とりあえずお金を貸してくれるところを見つけないと、子どもの幼稚園代が払えなくなってしまいます。

 

途方に暮れていた時、街中で貸金のビラを目にしました。

 

私のようなアルバイトでも、借りられるだろうか?

 

「審査激甘」「金利0円」などと書かれていたので、思い切って電話をしてみることにしました。

 

無事にお金を借りる事ができ、そのお金で幼稚園代や子供のミルク代などを捻出することができました。

 

しかし、返済までの期日が10日しかありません。

 

結局アルバイト代もほとんど入らず、返済ができませんでした。

 

返済期日が過ぎると、恐ろしい取り立てが始まりました。

 

ビラには金利0円とありましたが、それは真っ赤な嘘だったのです。

 

この業者は、闇金でした。

 

スマホには取り立ての電話が次々にかかってきます。

 

色々な番号から、本当にひっきりなしと言っていいくらいにかかってくるのです。

 

「ふーん、サッカー選手ねえ。いい歳してまだ夢なんか追いかけてるのか?笑わせるな。地道に働いて借金返せや」

 

取り立ての電話では闇金に馬鹿にされたり脅されたりしました。

 

「仕事がないならうちで住み込みで働けや。働いて体で返してもらうしかないだろ。返済できないっていうなら今すぐそっち行くから」

 

「子供は幼稚園か?早く返さないと子供の幼稚園に取り立てに行くから覚悟しとけよ」

 

身の危険を感じるような脅しを次々にかけられました。

 

家族にだけは迷惑はかけたくない。

 

特に、子供には!

 

しかし、妻に闇金の事がバレるのは時間の問題でしょう。

 

夢を追いかけ続けた結果が、闇金地獄でした。

 

家族を養わなければいけないのに無謀な夢を追いかけ続けてしまったことに、今後悔しています。

 

サッカー一筋で生きて来ましたから、この歳で再就職をするのは簡単ではなさそうですし、とにかく今すぐに闇金に多額の借金を返済するのは不可能でしかありません。

 

今のバイト代から闇金に返済しても、焼け石に水でしょう。

 

私はどうすればよいのでしょう。

 

もう、闇金と手を切ることは無理なのでしょうか。

 

幼い子供と妻を、路頭に迷わせることは避けられないのでしょうか?

 

わがままで愚かな父を、夫を、お許しください。

 

 

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