闇金相談福井編 女性(27):無審査だからとソフト闇金に手を出してしまった事務員女性の顛末
私は福井で働くOLです。
事務員をしてます。
とにかく買い物が大好き。
特にコスメや雑貨等に目が無く、毎日のように何かを買って帰ってしまいます。
ストレス解消ももちろん買い物です。
休日には一人でショッピングモールのエルパへ車を走らせ、1日中ショッピングを楽しんでいます。
財布には常に数万円が入っており、手持ちのお金が無くなれば、カードを利用することもありました。
福井の冬は雪が多いですから、冬にはもっぱらネットショッピング。
ショッピングサイトのアプリを開かない日は無いと言っても過言ではないかも知れません。
これでも、ある程度は我慢しているつもりなんです。
手持ちのお金とカードで使ったお金をざっと計算し、カードはもちろん次の月の給料を超えないように買い物をしています。
本当は、欲しいものはもっともっとあります。
しかし、やはり臨時出費があると困ってしまうこともしばしば。
給料のほとんどを買い物に使ってしまっているので、友人の結婚式などが重なるとお金が足りなくなってしまうのです。
そんな時には街中にある消費者金融で借りちゃおうかなとか、クレジットカードのキャッシングをしちゃおうかななどと思うのですが、もし家族にバレたら大変なので怖くてできません。
というのも、厳格な父に見つかったらただじゃ済まされないからなのです。
私は実家暮らしなので、明細書などが家に届くとキャッシングのことがバレてしまいます。
実際に、父は私にクレジットカードの明細書などを見せろと言ってきますから、キャッシングの明細も見られてしまうでしょう。
父は自分の弟がたびたび借金を作って苦労をしているところを見てきているので、借金に関しては特に神経質なのです。
「借金は悪だ。あいつ(父の弟)は本当に愚かだ、馬鹿な奴だ」
といつも父が言っています。
私も兄も、小さいころから「いいか、借金だけはどんなことがあってもするなよ」と言われて育ちました。
でも・・・。
その月は本当にピンチでした。
この歳になって結婚式のご祝儀が1万円じゃさすがにまずいです。
友人に聞いたら3万包むと言っていたので、やはりここは合わせなくてはいけません。
しかし、親にお金を貸してくれなんて言ったら父に怒られてしまいます。
友人3人の結婚式が同じ月に重なってしまいましたから、ご祝儀だけで9万円が飛んでいきます。
さらに、そのうちの2つの式は同じ学校の同級生なので、出席者も同じメンバーばかり。
同じ服なんて着て行けるはずもありません。
洋服代やアクセなんかに1回5万円程度、それに美容院代だってかかります。
軽く、20万円近くは消えてなくなる計算になります。
私の一か月の給料より多いじゃん!
ほんとにどうしよう・・・。
私は軽くパニックになりました。
同僚のA子にお金がピンチなことを打ち明けると、A子はこう言いました。
「それわかるー、ありがちだよね。私も親に見つかったら怒られるからキャッシングはできないかな。
だから、無審査のソフト闇金で借りてるよ。
私たちみたいに収入があまり多くなくてもちゃんと貸してもらえるし。ソフト闇金って言ってもヤバそうな業者じゃないから全然大丈夫だよ。優しいお兄さんがお金貸してくれる感じ」
闇金?!
闇金ってあの闇金だよね?
しかも、「ソフト闇金」って何??
闇金がソフトだなんてちょっと笑っちゃう・・・。
そう思いながらも、私はその話に興味津々でした。
「A子、ソフト闇金って何なの?」
「ああ、ソフトっていうのは、金利とか態度なんかが普通の闇金よりもソフトめだよって意味。普通闇金って金利がものすごいでしょ?手を出しちゃったら人生終わるみたいな。でもソフト闇金だったら、たぶん正規よりちょっと金利が高いくらいなんじゃないかな。それに業者さんもすごく優しいの!私が借りてる人なんて、イケメンだから会うのが楽しみになっちゃうくらいなんだよ」
「へぇ。A子が借りてるんなら安心だね。今月超ピンチだから、私も借りちゃおうかな?」
「もし借りるんなら、いつでも紹介してあげるから言ってね」
結局私は、結婚式のご祝儀が払えそうになくA子からソフト闇金を紹介してもらうことにしました。
ソフトとはいえ闇金なので緊張していたのですが、現れた業者はかなり爽やかなルックス。思わず拍子抜けしてしまいました。
返済期日は2週間で、金利は2週間で3割とのこと。
ちょうど給料日も来ている頃なので、問題なく返済出来そうでした。
返済期日が来たので、私は借りたお金と利息を持ってソフト闇金とファミレスで落ち合いました。
「ご返済ありがとうございます。でも、全額返済しちゃって大丈夫ですか?お友達の結婚式とのことでしたが、これ返しちゃったらお小遣い無くなっちゃうんじゃないですか?」
ソフト闇金の男性は優しく聞いてくれました。
その優しさに心を許してしまった私は、つい饒舌になってしまいました。
「実はそうなんですー。欲しいものいっぱいあるのに、どうしようって感じ」
「あはは、それはそうでしょう。もしよかったら、またご融資しますよ。お友達にもいつも利用して頂いてますし、お小遣い無くなったらいつでも呼び出してくださいね。それで、今日はどうします?」
「じゃあ・・・お言葉に甘えて!」
また期日までに返せばいいんだしと思い、私はソフト闇金に追加で融資をしてもらうことにしました。
次の返済日。業者のやさしさにすっかり油断していた私は、無駄遣いのし過ぎで元金を返済することができませんでした。
恐る恐るソフト闇金にそのことを告げると、
「そうでしたか。まあ、そういうことはよくありますよ。お友達も、たまにありますしね。いいですよ、今回は利息だけ返済して頂ければ」
そうやってたびたび、利息だけの支払い(闇金用語ではジャンプというそうです)で見逃してもらっていました。
ここならいつでも利用できる。
しかも、利息さえ払っておけば大丈夫!
いつの間にか私の中にはそういう意識が生まれ、欲しいものを我慢せずに買うようになって行きました。
そんな生活をしていたので当然の事でしょう。私は、ついに利息すらソフト闇金に返済できなくなってしまったのです。
「そうですか・・・。利息が返済できないと。しかし借りたお金は返していただかないといけませんね。もし返済ができないと、仕事先やご両親に連絡が行きますけど問題ないですか?」
その言い方はソフトでした。
しかし!
言っていることは「返せないなら会社と親に連絡するぞ」ということです。
私は、厳格な父の顔を思い浮かべて思わず身震いしました。
借金が大嫌いな父。
私が借金を、しかもソフトとはいえ闇金から借金をしているなんて言ったら、どんな顔をするでしょう。
ソフトな対応に、私は騙されていたのです。
よくよく考えたら、もう利息だけで元金以上に返済をしています。
正規の業者で借りてももちろん利息が付くのですが、こんなに高額ではないわけで・・・。
これでさらに元金も返済しなきゃならないなんて。
ソフトというのは名ばかりで、結局は高金利を取る闇金と何ら変わりありませんでした。
このペースで利息を取られたら、どうなってしまうんだろう。
そして、父にこのことがバレたら・・・!
恐ろしい取り立てはされないものの、ソフト闇金は真綿で首をしめるようにじわじわ、じわじわと窮地に追い込んでくるのです。
A子は、ソフト闇金からの借金をちゃんと返済できているのだろうか?
A子も、騙されたってことかな。
それとも、A子は知っていて私を騙したの?
色々な思いが交錯しましたが、もうそんなことはどうでもいいことです。
とにかく、私がソフト闇金から借りてしまって、利息として元金以上のお金を払わされ、そしてこれからも払わされ続けるであろうこと。
その事実は、もう変えようがないのですから。
いつ会社や父に連絡が行くかもわからない恐怖に、怯えて暮らす毎日です。
こんなことになるくらいなら、怒られてでもご祝儀代を親から借りるべきでした。
ソフト闇金だからって、友人が借りてるからって、簡単に利用してしまった私が馬鹿でした。
でももう、後悔したって遅いのです。