闇金相談岐阜編 女性(35):労働組合絡みで左遷…会社で追いやられ退職…生活苦で闇金へ
私は岐阜県の高山市に生まれ育ちました。
そこで大学を出て第一希望だった会社に就職をし、充実した毎日を送っていました。
高山市は観光で有名ですが、実は日本全国で一番大きな市でもあります。
東京都と同じくらいの面積を誇る市なんです。
そんな高山市で生まれ育った私は、昔から正義感が強い女性でした。
曲がったことが大嫌い。
自分が何かされるともちろんしっかりと反論しますし、友達が納得のいかない対応などをされているのを見ると、黙っていられなくなります。
そればかりでなく、街で出会った赤の他人の理不尽な行為に関してもつい注意してしまったり、人助けをしてしまったりすることが多々あります。
またお節介なことをしてしまったな・・・などと後悔することもしばしばなのですが、やはり黙ってはいられませんし、この性格は一生治らないものだと思っています。
女性の友人からは頼りにされることが多いですが、男性からは「生意気な女」と言われてしまうことも多いです。
でも、私は間違ったことはしていない!そう思ってこれまで生きて来ました。
この性格が、仇になる日がやってくるとは・・・。
思ってもいませんでした。
私の働いている会社には労働組合があるのですが、その中で、私は精力的に活動をしていました。
この正義感の強い性格ゆえ、弱い立場の社員を守るとか、そういったことにはつい力が入ってしまいます。
執行部でこそありませんが、執行部の方たちとともに組合の中では重要な役割を果たしている方だったと思います。
下の立場のものが上の立場のものに意見することに関しても、私は何とも思っていませんでした。
どちらかというと上の人間に意見する方が好きなくらいです。
しかしそんな性格のせいで、私は組合活動で悪目立ちしすぎてしまったようです。
昔から男性に「生意気な女」というレッテルを貼られがちでしたが、やはりここでもそうでした。
会社側からしたら、私の存在は目の上のたんこぶのようなものだったのでしょう。
結果的に私は会社の上役などから、ことごとく目の敵にされてしまうこととなりました。
そして最終的に、私は関連会社への異動を命じられてしまいました。
これは明らかに「左遷」です。
なぜ?私は社員の立場を守るために必死に活動してきたのに。
会社側からすればそういった人間が邪魔でしかないのは分かります。
しかし、ここまでされてしまうのはパワハラ以外の何物でもないと思いました。
第一希望の会社に入社し、充実した毎日を送ってきた私にとって、この左遷は本当にショックな出来事でした。
でも、下を向いてばかりはいられません。
異動先でも何かを掴み、これからの出世につなげて行ければ。
そう思って、張り切って異動先の関連会社へ出社をしました。
しかし待っていたのは、今までいた会社とは全く違う光景でした。
どことなくやる気のない人たち、何となくいい加減そうな上司たち。
こちらまでやる気を吸い取られていくような、そんな負の空気が漂っていました。
そんな空気を変えようと私は必死に奮闘しましたが、どれも空回りに終わりました。
それどころか、私が左遷されてきた理由を皆知っているようで、嫌味を言ってくる社員もいました。
「あんた、組合活動で目立ちすぎて左遷されたんですってね。会社中の噂になっていたからみんな知ってるわよ」
「あんまり余計な事しないほうが身のためだぞ。みんなこの現状に満足しているんだ。よそ者が来て引っかき回されるのはごめんだよ」
「こんなところに飛ばされて最悪だって、思ってるんだろ?どうせ俺たちの事を内心鼻で笑ってるんだろ?」
私に対する風当たりは強く、ほとんど口をきいてくれる社員はいません。
与えられた仕事を、無言でこなして家に帰る。
そんな毎日でした。
ここは、私のいる場所じゃない。
誰も口をきいてくれないことも辛かったのですが、それ以上に辛かったのが、この活気のない会社の雰囲気でした。
こんなところにいたら私はどんどんダメになっていく。
辞めて、もっと自分が活躍できる場を探そうと思いました。
いざ再就職をするために就職活動をすると、なかなか仕事が見つかりませんでした。
年齢的にはギリギリ面接にこぎつけるのですが、皆決まって同じことを言ってくるのです。
「いい大学を卒業しているあなたみたいな方がなぜうちに?うちなんかよりもっと合っている会社があるでしょう」
「35歳ねぇ・・・。確かにうちの応募条件は35歳までだけど、独身の女性だしね。結婚します、子どもが生まれますなんてことになれば、どうせすぐに辞められちゃうからね」
たいてい、こう言われてしまいます。
失業保険の受給期間も終わってしまいましたし、私は焦りました。
私は正義感が強くそういった点では真面目なのですが、一方で貯金が全くできない性格でした。
ですから、失業保険が終わってしまえばほとんどお金がありません。
私は両親が比較的歳をとってからの子供でしたので、両親はもう年金暮らし。
金銭的に頼ることは許されない状況でした。
それにこの性格ゆえ、友達から借金をするなんてもってのほかでした。
今は失業中の身ですから、銀行や消費者金融などからも、お金が借りられそうにありません。
どうしよう。これ以上仕事が見つからないと生活ができない。
家賃や電気代が払えなくなる・・・。
私は途方に暮れていました。
そんな時、たまたまネットである貸金業者のホームページを目にしました。
初めは気にも留めていなかったのですが、よく見るとだんだんと良さそうな気がしてきました。
金利が安く、しかも、無職でも借りられる可能性ありのようでした。
聞くだけならタダだし、連絡だけでもしてみようかな。
私はその業者に連絡を取ってみることにしました。
連絡を取ると、業者から連絡先や口座番号を聞かれました。
業者は色々と丁寧に説明をしてくれたのですが、どうも金利が高すぎるようでした。
私は借金の経験は無いので金利についての知識は無かったのですが、この金利はあまりにもおかしい・・・。
そう思って、融資はお断りをすることにしました。
先に気づいてよかった。もしかしたらここは、違法業者の闇金かも知れない。
そう思いました。
しかし業者にそれを伝えると、
「そうですか。でも、もう融資の手筈は整ってしまいましたからね。今さらキャンセルすると言われましても、こちらとしても困ってしまうのですが・・・。
もしどうしてもキャンセルなさるというのなら、キャンセル料がかかってしまいますがよろしいですか?」
そう言われてしまったのです。
「キャンセル料?融資の準備と言っても、お金を用意したり、書類を用意したりするだけではないですか。そんなことでキャンセル料が発生するなんておかしくないですか?」
たまらず、私は業者にそう言いました。
「うるせえこのアマが!人に融資の準備をさせといてなんだその言い草は。こっちはお前の冷やかしのような申し込みで営業妨害されてんだよ。キャンセル料取られるのが当たり前だろがボケ」
業者の態度は一変しました。まさに、テレビで見る闇金そのものです。
正義感の強い私も、さすがに闇金相手では言い返すことができませんでした。
結局なんだかんだといちゃもんをつけられ、色々な手数料と称して請求された額は全部で20万円にもなりました。
こんなことってあるでしょうか。
絶対に許せない。
そう思って警察に行こうと思いましたが、闇金からの仕返しを考えると怖くて足がすくみました。
その後も闇金は、私の口座に勝手にお金を融資してきて、利息を払えなどと言ってきます。
これは押し貸しというそうです。
一度軽い気持ちで連絡を取ってしまったが最後でした。
先に私の連絡先や口座番号、家族の連絡先などを知られてしまっているため、もう逃れることができないのです。
仕事が無い。そのうえ闇金からは、押し貸しされた分の利息だのキャンセル料だのを請求されている。
この先私は、どうしたら良いのでしょうか。
世の中正直者が馬鹿を見るとはよく言いますが、本当にそうだと思いました。
自分に正直に生きたことで、会社を左遷されこういう結果となりました。
闇金に関しては、融資を受ける前にもっとしっかり調べるべきでした。
でももう、私の個人情報は闇金の手の内にあるのです。
私が闇金から逃れる方法は、まだ残っているのでしょうか・・・?