闇金相談兵庫(神戸)編 男性(30):無免許の交通事故…相手がヤクザでキャッシングで賄えずに闇金で借りることに…
私は神戸在住の30代男性ですが、実は今、無免許なのです。
もちろん運転免許は、高校を卒業してすぐに取りに行きました。
もともとちゃんと運転免許を持っていたのです。
しかし先日、うっかり免許更新を忘れていることに気づきました。
更新期限を、なんと1年1か月も過ぎてしまっていたのです。
やってしまった・・・。
慌てていろいろと調べてみると、更新を忘れて6か月以上経っていると仮免許から、そして1年を超えてしまうと、初めから免許を取り直さなければならないということが判明しました。
そんな・・・。せめてもう少し早く気付いていれば、なんとか仮免許からですんだものを。
しかし忘れてしまったものはもう仕方がありません。
私はまた教習所に通い、免許を取り直すことにしました。
しかし、一つ困ったことがありました。
私の職場は遠く、しかも朝早くから仕事が始まるのです。
電車、バスを乗り継いでいけるような場所でもないため、どうしても車が必要でした。
毎日タクシーで通勤するお金なんてどこにもない。
無免許運転ということになってしまうけど、バレなければいいよな・・・。
免許を取り終わるまで、事故や違反さえ起こさなければ問題ないと思いました。
私は、教習所に通いながら、こっそり無免許運転で仕事に出かけることにしました。
ある日のこと。私は阪神高速3号線を走っていました。
・・・後ろの車、車間がやけに近いな。
こちらは無免許なので、追突されたらたまりません。
そしてよくよく考えると、右車線にいる車も私の車の横にぴったりとくっついているのです。
私は何とかしてその2台から離れたいと思いましたが、前には高級車が遅いスピードで走っており、抜け出すことができません。
ほどなくして、私は気付きました。
もしかして、囲まれてる??
私の運転する車は、高級車3台に囲まれていたのです。
全身から血の気が引くのを感じました。
もしちょっとでも運転操作を誤ったら、確実に前の車に追突する。
前を走っている車は、あきらかにその筋の方が乗っているようにしか見えませんでした。
私はガチガチになり、必死で運転しました。3台の車はさらに私の車に近づきます。
その時でした。
前を走っていた高級車が、突然ブレーキを踏んだのです。
ぶつかる!!
後ろからも横からもぴったりくっつかれていたため、よけることができません。
私の車は、明らかにその筋の方が乗っていると思われる高級車に追突してしまいました。
私は恐怖のあまり動けずにいました。
すると、前の車のドアが勢いよく開き、いかつい男性が二人降りて来ました。
窓ガラスをバンバンと叩きながら、男たちは怒鳴ります。
「おいコラ、降りてこいや!」
私がドアを開けると、男たちが私を車から引きずり出しました。
「どうしてくれるんや。責任とれや。でも、警察なんか呼んだらあかんで。わかっとるよな?」
「は、はい。申し訳ございませんでした」
私はなすすべもなく、男たちに土下座をしました。
私としても、警察を呼ぶことには抵抗がありました。
警察を呼んでしまえば、無免許運転がバレてしまうことになります。
「30万で示談したるわ。それでどうや?」
相手の車のリアバンパーが少しへこんだだけでしたので、その割には金額は大きいなと思いましたが、男たちからさっさと解放されたかった私はその条件で示談することにしました。
これで無免許運転もバレない。
内心ほっとしました。
それから1週間くらい過ぎたころ、携帯に一本の電話がかかってきました。
出ると、事故相手のヤクザからでした。
示談金ならもう支払ったはずだ。
今さら何の用事だろう・・・。
嫌な胸騒ぎがしました。
電話に出ると、事故後にむち打ちになっていることが発覚したから治療費を払えというのです。
しばらく通院しなければならないし、40万円を払えとのことでした。
正直納得がいきませんでしたが、これで黙ってくれるのならと、仕方なく払うことにしました。
当日警察を呼んでいないため事故の証明書などもありませんし、保険でまかなうのは難しい状況でした。
こちらも無免許だという負い目があるので、自己負担するしかありませんでした。
しかし、先日30万支払っており、いきなり40万払えと言われても持ち合わせがありません。
私は仕方なく、消費者金融でローンカードを作り、そこから借金をして事故相手のヤクザに支払うことにしました。
消費者金融から借金なんて生まれて初めての経験でした。
早く返済しなければ。
そう思い、無駄遣いも控えて暮らしました。
そしてそれから数日経ったころ。
なんとまた例のヤクザから電話がかかってきました。
今度は何の用なんだ?
渋々電話に出ると、今度はもう一人の男もむち打ちだったから、やはり同じように40万払えと言ってきました。
そんなはずがあるわけない。これは、金をとるための口実でしかない。
それは分かっていました。
しかしヤクザ相手にそんなことが言えるはずもなく、無免許運転であった以上、警察にも言えません。
先日借りた消費者金融の限度額がオーバーしてしまったためまた別の消費者金融からも借りる羽目になってしまいましたが、仕方なく言われた通りに40万円をヤクザに払いました。
乗っていたのは二人だけだったようですから、もうむち打ちだのなんだのとは言ってこないはずだ。
そう思うと、少し安心しました。
借金は私の給料の数か月分になってしまいましたが、今後ヤクザと関わらなくて済むためなら仕方ないと思いました。
しかしです。
事故の記憶も薄れかけていたころ、なんと、ヤクザから3度目の電話がかかってきたのです。
出ると、車を修理に出したら思ったよりも修理代がかかり、示談金の30万では全く足りなかったのであと50万円払ってくれとのことでした。
おそらく、そんなのは嘘です。
そんなに強い衝撃でぶつかったわけではありませんでしたし、少しリアバンパーがへこんだだけだったはずでした。
私は納得がいかなかったので、勇気を出して、どこをどう修理していくらかかったのかを教えてほしいと尋ねました。
すると…、
「黙れコラ。つべこべ言わずに払わんかい!」
などとまくし立てられ、しまいには
「今からすぐそっちいくから覚悟しとけや」
と脅しをかけられました。
私はなすすべもなく、50万円を支払う約束をしてしまいました。
ここで困ったことが起こります。
今まで借りた2社の消費者金融への借金はまだ返済できていません。
しかも、給料の数か月分という金額だったため、返済が間に合わず滞納してしまっている状態でした。
50万円を用意するべく数社の消費者金融や銀行を当たりましたが、2社から借金があるうえに滞納があるなどの理由で、どこからもお金を借りられなかったのです。
事故相手のヤクザは、何度も何度も早く金を払えと電話をしてきます。
そして、
「俺の知り合いに金貸しがおんねん。そいつに連絡とってやるから、そこで借りろや」
そう言ってきました。
しつこく電話でヤクザに脅されたため、これ以上待たせるのは無理そうだと判断し、言われた通り紹介された貸金業者からお金を借り、50万円を支払うことにしました。
私は、年収に近いくらいの借金を背負うことになってしまいました。
しかしそれはまだ、地獄の始まりでしかなかったのです。
金を借りた業者の金利は異常に高く、50万円だったはずの借金は、金利を含めて75万円へと膨れ上がっていたのです。
ヤクザから紹介された業者は完全に違法業者、いわゆる闇金でした。
消費者金融からの借金もまだ返済できていなかったため、私はその闇金からの借金を当然返済することができませんでした。
返済出来ないでいればいるほど、その額は雪だるま式に膨れ上がっていきます。
もちろん、取り立ての電話も半端ではありません。
「少しも払えんのかコラ。なら職場に乗り込んで上司にでも払ってもらおか」
「お前の家族の連絡先も知っとるんや。拉致して人質にしたるで」
会社や家族の話を持ち出し、私の精神を徹底的にいたぶってきます。
電話の回数もとんでもなかったですが、出ないと本当に乗り込んでくるのではないかという恐怖で、仕事中も電源を切ることができず、こっそりと人に見られない場所で電話に出ていました。
そのうちに、会社にまで嫌がらせの電話がかかってくるようになりました。
事故の相手に脅されて闇金からお金を借りたと正直に上司に話し、会社を辞めたことにしてもらいましたが、それでも会社への嫌がらせ電話はやみませんでした。
返済が終わらないばかりか、どんどんと利息が膨らんでいく。
闇金からの脅しや嫌がらせもエスカレートするばかりで、私は疲れ果ててしまいました。
無免許で運転し、事故を警察に届けなかったのがいけなかったのですが、その後脅しに屈して、言われるがままに怪しい貸金業者からお金を借りてしまったのが一番の失敗だったのかもしれません。
もしかしたら、事故相手のヤクザと闇金はグルだったのではないかとさえ思えてきます。
結果的に闇金からお金を借りてしまったばっかりに、私の人生の歯車は完全に狂ってしまいました。
早く闇金から逃れたい。
最近ではそればかり考えています。