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闇金相談和歌山編 男性(50):自宅が火災で焼失…闇金に手を出した独身男性のその後の人生

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私は生まれも育ちも和歌山です。

 

海と山に囲まれ、自然に恵まれた魅力的な地です。

 

湾や港なども近く、いつも身近に海を感じることができます。

 

車を走らせるとのどかな風景が続きますが、エリアによっては狭い道を挟んで住宅がひしめき合っています。

 

そんな和歌山で生まれ、青春時代を過ごし、年齢を重ねて今に至ります。

 

50代に突入してしまいましたが、実はいまだ独身です。

 

もちろんこれまでたくさん恋をしてきましたし、結婚を意識する女性もいました。

 

しかしタイミングが悪かったり、私の覚悟が足りなかったりということが続き、結局は結婚に至る事はありませんでした。

 

40代に突入してからは両親に言われていわゆる婚活などもしましたが、結局結婚ということにはならず。

 

独り身のまま50代を迎えてしまったのです。

 

まだ結婚をあきらめたわけではありませんが、最近では気ままな独身生活も悪くないなと思えてきました。

 

独身となると、考えてしまうのが住居についてです。

 

賃貸住宅は気楽で良いのですが、このまま年を取ったらどうなってしまうのだろうという不安が常に付きまといました。

 

もし、歳を取った時に住宅が借りられなくなったら?

 

自分が歳を取った時には当然両親はいませんし、実家には妹夫婦が入っています。

 

ほかの兄弟は東京に出てしまっているので頼れる親戚もいません。

 

歳を取ってから路頭に迷うのはやっぱり怖いものです。

 

それなら家を買うか。そう決めたのが40代後半になったころでした。

 

独り身で新築の一戸建てを買うのはさすがにもったいない気がしましたので、中古住宅を買うことにしました。

 

家があれば、もし今後結婚することになったとしても安心できます。

 

こうして私は、中古ながら自分の城を持ち、住宅ローンを払いながら気ままに暮らしていました。

 

中古住宅購入からしばらくたったある日の夜中。

 

なんだか外が騒がし気がしました。

 

バチバチという音がして、何となく焦げ臭いような気がします。

 

寝ぼけながら窓を開けてみると、なんと隣の住宅が燃えていたのです。

 

火事だ!

 

私は貴重品を持って外に逃げました。

 

その日は風が強く、火は三軒の家に燃え移りました。

 

その中には、わが家も含まれています。

 

うちの周辺は比較的家と家の間隔が狭いため、燃え広がってしまったのかもしれません。

 

なんていうことだ・・・。

 

せっかく購入した家、財産。

 

すべて失ってしまいました。

 

火災の責任は隣家にあるのだから、当然補償してもらえるだろうと思っていましたが、調べてみると失火法、失火責任法などと呼ばれる法律があるらしく、過失がない場合には損害賠償が受けられないようなのです。

 

そんなことってあるのでしょうか。

 

到底納得ができませんでしたが、法律があると言われてしまってはどうにもなりません。

 

家を失ったことはもちろん大変なのですが、それだけではありません。

 

着るもの、家電品などなど、生活を立て直すためには全て買い直さなければなりません。

 

実は住宅を購入する際、少しでも保険料を節約したいし一人暮らしだからと、家財保険をオプションで付けることをしませんでした。

 

ですから火災保険で住宅そのものは補償されますが、家電などは補償されないということになります。

 

次の日色々と手続きを済ませ自宅に戻りましたが、やはりもう住めるような状態ではありません。

 

何か使えそうなものが無いか探して回りましたが、無駄でした。

 

私はホテルに泊まりながら、これから住むところを探しました。

 

住宅購入の際に頭金を払ったり引っ越し業者に代金を払ったりしたため、貯金はすでにほとんどありません。

 

住宅を買ってから老後のたくわえをしていけばいいやと思っていました。

 

困ったな。これからどうやって生きていこう。

 

必要最低限の家電品などを買うのも難しい状況でした。

 

ようやくアパートを借りましたが、家財道具一式や服などを買いそろえるのは痛い出費でした。

 

そのうえアパートの敷金や礼金などでもまとまったお金が必要でしたし、もちろんお金が足りません。

 

私は消費者金融でローンカードを作り、急場をしのぐことにしました。

 

実家の両親や兄弟も心配してくれましたが、金銭的な迷惑をかけることはできませんでした。

 

消費者金融で借りたお金を給料で返済してしまうと、家賃を払うだけで一苦労です。

 

食べていくのは厳しい状況でした。

 

借りられそうな消費者金融からはすべてお金を借りてしまったので、次は銀行から借りようと考えました。

 

しかし審査に通過して実際に融資が開始されるまでの時間がかかってしまいそうだったので、私はもっと早く融資してもらえる金融機関を探すことにしました。

 

そんな時にたまたま目にしたのが、ある貸金業者のチラシでした。

 

自宅アパートのポストに入っていたのです。

 

まさに渡りに船です。

 

私は食い入るようにそのチラシを見ました。

 

チラシには金利が低く、即日融資が可能だと書かれています。

 

これは私のように、今すぐ現金が必要な人間にはもってこいだと思いました。

 

業者に即連絡を取ると、今すぐに融資してくれるとのことでしたので、お願いすることにしました。

 

しかし言い渡された金利がどうにもおかしいのです。

 

返済期日は10日後。計算してみると、10日で3割程度の金利を取られるようでした。

 

これは違法業者だ。私は、いわゆる闇金に引っ掛かってしまったのです。

 

チラシには詳しい金利まで書かれていませんでしたし、どうしても今すぐにお金を借りなければ生活していけないと焦っていたので、きちんとした判断が出来ていませんでした。

 

まだ火事のショックもありますし、無理もありません。

 

返済期日が来たので、私は業者から言われた通りに返済日の前日に電話を入れて返済したい旨を伝えました。

 

しかし、何度かけてもつながらないのです。

 

おかしいな。

 

でもまあ、明日事情を話して返済すればいいかと、あまり気にしていませんでした。

 

ようやく電話がつながった時、闇金はこう言いました。

 

「昨日連絡して頂かないと今回は全額の返済出来ません。利息のみお支払いお願いします」

 

返済出来なければ元金が減らないわけですから、また無駄な利息を支払う羽目になります。

 

今の私にはそんな余裕はありませんでしたが、有無を言わさずという態度に負けて引き下がることにしました。

 

結局次の返済日前日も、何度連絡をしてもつながりません。

 

そんな・・・。これでは一生、元金が減らないじゃないか!

 

返済日に電話がつながった後そのことを強く抗議しましたが、「決まりですから」の一言で片づけられ、結局元金は返済出来ずじまいになってしまいました。

 

ただでさえ、生活はギリギリの状態。

 

まだ他の借金だってあります。

 

利息も、いつまできちんと支払えるか分からない状態でした。

 

そして、最悪の事態が訪れました。

 

心労と火事のショックを抱えていた私は、今までたまりにたまっていた疲れがどっと出てしまったようで、体調を崩してしまったのです。

 

有給も使い果たしていたため、会社を休むとその分の給料は減ってしまいます。

 

病院に行くお金もありませんから、傷病手当金の申請などをすることも難しく、実質収入が一時的に断たれたような状態です。

 

こうなると、困るのが借金です。

 

働いて給料をもらっていても返済がギリギリなのですから、収入が断たれたら返済のしようがありません。

 

利息も払えない状態になると、早速闇金からの取り立て電話がかかってきました。

 

「期日過ぎてますよ、早く金を返してくださいねー・・・」

 

闇金はこちらの心にグサッと来るようことも次々と言ってきました。

 

お金を借りたのは確かに私です。しかし・・・。

 

火事のショックに加えてえげつない取り立てに追われる毎日。

 

私は物事を全てネガティブに判断するようになっていきました。

 

もう、すべて終わりだ。

 

完全に精神崩壊状態です。

 

今日も、電話が鳴ります。

 

「さっさと金返せや」

 

「おっさん、これからそっち行くからな。年老いた親御さんを痛めつけて欲しくなかったら、今すぐ払え」

 

「東京にいるご兄弟は立派な仕事してるそうだな。さっさと金を返さないとそこに取り立てに行くからな」

 

家族を痛い目に遭わせることをちらつかせ、何としてでも私から金を搾り取ろうとしてきます。

 

家族にだけは、迷惑をかけたくない。

 

そんな気持ちとは裏腹に、私は動くことさえままなりません。

 

冷たい床に横たわって涙を流しながら、

 

「ごめんなさい。みんな、ごめんなさい・・・」

 

そうつぶやくのがやっとでした。

 

運が悪かったのもありますが、冷静さを失って闇金なんかに手を出してしまった自分の情けなさにも嫌気がさします。

 

こんなことで家族にまで迷惑をかけてしまい、取り返しのつかないことになっていましました。

 

この暗闇から抜け出すには、どうしたらいいのでしょうか。

 

闇金の恐怖と空腹とで、私はもはや何も考えることができなくなってしまいました。

 

闇金の嫌がらせは本当に恐ろしいです。

 

 

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