闇金相談山梨編 男性(38):山梨の実家から東京への通勤の日々…拘束時間の長さの果てに陥った闇金地獄…
私は山梨県に住む会社員です。
東京の会社に就職し都内で独り暮らしをしていましたが、実家の母の面倒を見なければいけなくなり、今では実家から東京の会社への通勤を余儀なくされています。
姉は結婚して遠方に住んでいますし、数年前に父が亡くなってしまっているため、私が帰らないと病気の母が一人きりになってしまうのです。
私が住んでいるのは山梨県の北都留郡というところです。
ここから東京に出るには、徒歩やバスも含めて片道3時間程度かかってしまいます。
長いことバスに揺られて、JR青梅線終点の奥多摩駅に到着。そこから会社のある駅までの時間の長さがハンパじゃありません。
会社に到着するまで20個以上の駅を通過しなければならないという有様です。
会社が始まるのは朝9時ですから、起きるのは4時半ごろ。
5時半くらいには毎日家を出ています。
寒い冬などは朝起きるのが辛いです。
もともと早起きは苦手ですので、毎朝本当に憂鬱な気持ちでいっぱいになります。
少しでも残業をしてしまうと帰りがかなり遅くなってしまい、睡眠時間が削られてしまいます。
もちろん、会社の飲み会などがあっても途中で抜け出して帰らなければ終電が無くなってしまいます。
とにかく、長距離通勤のせいで仕事の拘束時間が異常に長く、休みの日には何もできないほどに疲れ果ててしまいます。
そのほかにも困ったことがあります。
それは、会社からの通勤費が全額支給じゃないということです。
一定の上限があり、それを超える分は自己負担せざるを得ないのです。
これも、私にとってかなりの痛手でした。
電車だけでなくバスも使っているため、これが結構な出費になるのです。
給料はそれなりにいただいているのですが、通勤費の自己負担分や母の治療費、生活費などでかなり厳しい状況です。
母は料理を出来る状態ではないため、コンビニで食料を買ったり宅配を頼んだりと、自炊よりも食費がかかっているはずです。
だったらもっと実家から近い地域に転職したらいいじゃないかと言われてしまいそうですが、やはり山梨よりも東京の方が給料も良いですし、今の時代、そう安々と転職できるものでもありません。
何らかのスキルを持っていなければ、30代後半になってからの転職は厳しいと思っています。今の会社を辞めるのは危険すぎるでしょう。
これらのような理由から、私は泣く泣く長距離通勤をしています。
実家に戻ってから2年が過ぎたころには、だいぶ疲れがたまっていました。
そのころから、長距離通勤の疲労感に耐えかね、病気の母に申し訳ないと思いつつも会社の近くで寝泊まりしてしまうことも増えました。
しかし寝泊まりするにもお金がかかります。
ビジネスホテルに1泊すると安くても5,000円程度かかってしまいますし、節約のためにカプセルホテルに泊まったとしても3,000円程度かかります。
これを週に2〜3回してしまうとかなりの痛手です。
でも私は、心身ともに疲れ果ててどうにもならなかったのです。
拘束時間が長く自分の時間が取れないことは、私の中で抑えようのないストレスとなって行きました。
息抜きと称して会社の帰りに飲み歩いたり、くだらないと分かっていながらもスマホのゲームに没頭し、高額の課金をしてしまったりすることも増えました。
母の待つ実家に帰らなくてはならない、しかもお金がない。
それは頭では分かっていました。
でも、何かで息抜きをしないと自分自身が壊れてしまいそうだったのです。
こうして私の悩みは長距離通勤による拘束時間の長さだけでなく、経済的な不安までもが加わることとなったのです。
どうしてもお金が無くなると、消費者金融でキャッシングをしました。それも1社だけでは足りず、数社に及びました。
長距離通勤に疲れ果て、実家の母の生活費と、寝泊まりする自分の生活費を二重に負担しなければならない日々。
そのことに関する罪悪感や不安などをかき消そうと、お酒やゲームで自分をごまかし、そのせいでまた借金をして・・・。
自分さえしっかりしていればこんなことにはならないでしょう。でも、ダメでした。
ついには消費者金融からお金を借りられなくなってしまいました。
もう、自分と実家の母が食べていく分のお金さえも残っていません。
とにかく母の食費や治療費だけでも何とかしなくてはならないので、お金を貸してくれそうなところを必死に探しました。
そして、ネットの口コミを参考にあるソフト闇金からお金を借りることにしました。
意を決してその業者と連絡を取ってみると、ソフト闇金と呼ばれるだけあって、業者の対応は普通の金融機関と変わらないほどソフトでした。
ここなら多少金利が高くても気兼ねなく借りられそうだ。
私はお金が必要になるたび、この闇金からお金を借りるようになりました。
もはや消費者金融から借りられなくなった自分にお金を貸してくれる、無くてはならない業者。
闇金だろうが何だろうが関係ない。ありがたい・・・。
この頃の自分は、本気でそう思っていました。
利息さえ払っていればさほど怖いことも言われなかったため、油断してしまっていたようです。
利息を返しても元金は減っておらず、気づいた時には借金がとんでもなく膨れ上がってしまっていました。
消費者金融に返済をしながら、通勤費や宿泊費、食費や生活費を捻出する。そして闇金への利息の返済を行う。
こんな生活を続けていたのですから、無理が出てくるのは当たり前です。
ついには、闇金への利息の返済が滞るようになって来ました。
それでもはじめのうちは優しく親身になる様子を見せていた闇金でしたが、2度目の返済期日を過ぎたあたりから態度が変わり始めました。
「お客様、大変なのはお察ししますが、こちらもボランティアとしてやっているわけではございませんので。あまり返済が滞りますと、会社の方にもご連絡させていただくことになります」
闇金の対応や言葉遣いは丁寧でしたが、要は「返せないなら会社に連絡するぞ」ということです。
それを聞いて、私は初めて恐ろしさを感じました。
ソフト闇金といえどもやっぱり闇金は闇金。
甘く見ていた自分が馬鹿だったと心底後悔しました。
電話による取り立ては、比較的ソフトながらも執拗に続きます。
怒鳴りつける、脅すといった事はあまりありませんが、こちらの罪悪感をうまく誘う物言いで精神的にじわじわと追い詰められていきました。
そのころから、会社に不審な電話がたびたびかかるようになりました。
この会社で誰かが闇金からお金を借りているといった内容でしたから、私が借りている闇金からの嫌がらせに違いないと思いました。
そのことが会社で話題になるたび、借金をしているのが私だということがバレるのではないかと気が気ではありませんでした。
また、一斉にうちの会社に複数から電話がかかり、電話回線がパンクさせられることもたびたびありました。
これも、闇金からの嫌がらせに間違いありませんでした。
実家に病気の母を抱えての借金地獄。
もし会社をクビになってしまったら、本当に私の人生は終わりでしょう。
なんとか会社にバレるのだけは避けたいと、祈るような気持ちで日々を過ごしました。
なにもかも、私の弱さが招いたことでした。
実家の山梨から東京への長距離通勤。
その辛さに耐え兼ね、会社の近くでの寝泊まりを繰り返し、お金もないのに飲み歩きやゲームの課金で無駄遣いをし・・・。
どんなに辛くても、地道に長距離通勤に耐えていたらこんなことにはならなかったでしょう。
でも、もう遅いのです。
私は闇金からお金を借りてしまった。
そのせいで、会社への嫌がらせまでされています。
戻れるものなら、闇金からお金を借りる前の自分に戻りたい。
今からでも闇金から逃れる方法があるのなら、ぜひ知りたいです。